先輩の彼女にしてもらいました
「ごめん、先輩じゃなくて」

時田くんは申し訳なさそうに呟いた。

振り返って、時田くんだと気づいた時の私の顔がそんなにガッカリしているように見えたんだろうか。

時田くんはあの後、私を追いかけてきてくれたのかな?

「ごめん、私の方こそ」

「いや、なんだか様子がおかしかったから、来てみたんだけど。もしかしてつばさ先輩となにかあったのか?」

「ううん、なんでもないよ、私、マネージャーの仕事に戻るね、時田くんも練習頑張ってね」

あんなところを、見られて泣いていることはバレバレだったろうけど、私は無理に笑ってみせた。

「どうして?」

「え?」

「どうして、俺に隠すの?もしかしたら俺が原因だから?俺のせいで、先輩と喧嘩したの?」

時田くんの悲しそうな顔が見れなくてすぐに視線をそらした。

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