先輩の彼女にしてもらいました
「ち、違うよ」

ズバリ言い当てられてドキリとしたけれど、もうこれ以上時田くんには頼ったらいけないような気がしていた。

寂しいからって、話を聞いてもらうだけでも、もうダメだと思った。

もとはといえば、私が、時田くんの好意に気づかずに頼って、いつも助けられてばかりいたのがいけなかったんだから。

多分、私と先輩が気まずくなってしまったのはそのせいばかりではないけれど、でもやっぱり時田くんとは、今まで通りではいられないような気がしていた。

「ごめん、時田くん、私と先輩の問題だから、もうこれ以上、私には構わないで」

そう告げると、目の前の時田くんの可愛らしい顔が、一瞬苦し気に曇った。

「ごめんなさい、時田くん、ひどいこと言って。だけど私のこと、これからはどんなに困っていてもほっといてくれていいから」

もうこれ以上、先輩に嫌われたくない。
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