先輩の彼女にしてもらいました
いつも、彼は私の味方になってくれたのに、どんな時も私のことを助けようって一生懸命になってくれてたのに。

胸の大きさがコンプレックスだった私に、彼はいつだって普通に接してくれたのに。

どんなに、彼の存在に癒されていたかしれないのに

だから、やっぱりこんな風に傷つけたくなんてないよ。

「待って」

彼が部室に入ってしまったので、私も中へ入ってドアを閉めた。

「来るなよっ」

彼の苛立ったような声がしたけれど、私は彼に近づきその腕を掴んでいた。

私が掴んでいない方の手で顔を覆っている彼の瞳から涙が溢れているのを見て、どうしょうもなく胸が締め付けられる。

「ごめんね、時田くん、ごめんなさい」

「違うから、これは、全然違うから」

彼は恥ずかしそうに、ゴシゴシ目をこすっている。

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