先輩の彼女にしてもらいました
体育倉庫の中はさっきの私の夢の中さながらの蒸し風呂状態だったから、外に出ると、空気が美味しく感じられた。

先輩の逞しい肩をギュッと掴んで首筋に顔を埋めた。


先輩が、私のところに帰ってきてくれた。

そう思ったら、たまらなく嬉しい。

もう、どこにもいかないでね、先輩。

「うん、わかったよ、俺はどこにも行かないから」

先輩が、突然私の心の声に返事をしたのでびっくりした。

「えー、聞こえたんですか?」

「聞こえるよ、そりゃ、蒼井さん耳元で言うんだから」

「は、恥ずかしいっ」

「ハハッ、いいじゃん別に。もっと恥ずかしいこと言ってたんだし」

「え、うそ?なにか変なこと言いました?」

「いや、俺と風呂がどうとか、体を洗ってくれるとか」

彼はニヤニヤ口角をあげて笑い、私に振り返る。

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