先輩の彼女にしてもらいました
「先輩が、大好きなんです」

もう一度ギュッと彼に強く抱きついた。

「ありがとう、蒼井さん、俺も、自分を信じることにするよ」

先輩は前を向きながら真剣な声で言う。

「蒼井さんの言うように、俺の背中には本当に翼が生えているみたいだ。それは多分」

「先輩？」

突然、背中の翼の話をし始める先輩をびっくりして覗きこもうとした。

もう、あんな荒唐無稽な私の話なんて、とっくに忘れられていると思っていたのにちゃんと覚えていてくれたんだね、先輩。

「多分、その翼は、蒼井さんを守るためにあるんだと思う」

彼の言う意味はよく分からなかったけれど、とてもステキなことを言われたんだってことだけは、頭痛のする鈍い頭でも理解できた。

いつだったか、つばさ先輩が、宿題にしてくれと言っていた答えが出たんだと思った。
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