先輩の彼女にしてもらいました
だけど、私を本当に泣かせたり傷つけたりできるのは、もう誰もいない。先輩以外には誰も本当の意味で私の心を揺さぶる人はもういないのだから。

「聞いてもらえますか?先輩」

「うん」

それから、とりとめもない話をたくさんした。

中学の陸上部で県大会記録をだして、周りから過剰な期待をされたこと。

中学2年の夏くらいから、体型がどんどん変化していき、いいタイムが、だせなくなり苦しんだこと。

胸が大きくて、男子からの視線が怖かったこと。

アキちゃん達から、誤解されて仲間はずれにされて、心無い陰口を言われて悲しかったこと。

体育祭のリレーで、アキちゃんからのバトンが落とされてしまい、完全に絶望したこと。

もう陸上はやめようと思ったこと。

N高校へは、進学せず、陸上の無名校を選んだこと。
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