先輩の彼女にしてもらいました


いよいよ、T高のインターハイ全国大会の一回戦が、始まり、私達はテレビ局の放送をみんなで観戦していた。

「つばさ先輩頑張ってー」

「つばさーやったー」

体育館のあちこちから、応援の声が飛び交いヒートアップしている。それもそのはず、つばさ先輩が開始直後に3ポイントシュートを鮮やかに決めたのだから。

つばさ先輩は、1年生の時から大きな大会の全国大会に何度か出場していて、さほど緊張もしていないように見えた。

凄い、としか言いようがないくらいに、ボールを持つ彼はコートを縦横無尽に走る。

テレビ放送だと、選手1人1人の表情までわかる。

まだ、あまり汗をかいていないつばさ先輩のサラサラの前髪、闘志を秘めた燃えるような瞳、力強く筋肉質で強靭な体躯、そのひとつひとつに私は目を奪われる。

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