先輩の彼女にしてもらいました
私はスカートを片手でぎゅっと握りしめていて、実は立っているだけでもやっとなくらいにびびっていた。

しかし、恋の力って我ながら凄い、いつもの私なら言い返すなんてとてもしないのに、こんな屈強そうな男子に、一応、言い返したんだから。

「そりゃそうだよな、すまん、忘れて」

大谷キャプテンはあっさり引き下がってくれて、拍子抜けする。

え、え、なにそれ?

「あ、あいつ来やがった、後輩の練習見てやれって言ってたのに」

大谷さんが軽く舌打ちして、体育館の方を見たので、振り返るとつばさ先輩が走って私たちのもとへやってくるのが見えた。

つばさ先輩、つばさ先輩・・・。

さっきから心の中で、先輩助けてって何度も呼んでたんだよ。

お、遅いよー、先輩。

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