先輩の彼女にしてもらいました
「岳、お前勝手に何やってんだっ。この野郎」

勢いよく走ってきたつばさ先輩は、大谷さんの少し手前で軽くジャンプしたかと思うとそのまま、体当たりするように大谷さんへぶつかってきた。

「わ、バカ」

まだ握手したままだった私もろとも凄い衝撃で、よろけてしまいそうになったけど、大谷さんが私の肩をガシッと掴んで抱き込むような格好で助けてくれた。

「セーフ」

ため息交じりに呟いた大谷さんの顔が、至近距離にあって思わずドキドキしてしまった。

逞しい胸板の筋肉を感じて、顔から火が出そうだった。

「わーやめろ、触るな、この子は俺の・・・」

「先輩」


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