先輩の彼女にしてもらいました
「わかった、わかったから。ごめん」

「でも、私。先輩に誤解されたくないから」

「・・・・」

「信じてほしいんです、先輩には」

「うん、大丈夫だよ」

クシャッと頭を撫でてくれた先輩は、悲しそうに瞳が揺れていて、私の方が、びっくりした。

先輩の手が私の頬に優しく触れたので、やっと涙が溢れていたことに気づいた。

雫をすくう彼の指を、感じて、くすぐったい。

無我夢中で、半泣きになりながら、弁明していたみたいだ。

だって、先輩にだけは軽い女だって思われたくないの。

男子達が、私のことをなんて言ってるか、どう見てるか、薄々わかってる。

先輩も、そんな風に思ってたらどうしようって、凄く怖い。

< 72 / 450 >

この作品をシェア

pagetop