先輩の彼女にしてもらいました
「あの時は、ちょっと浮かれていたっていうか」

「ハハハ、浮かれてたんだ。じゃあ今は?」

「し、知らない。先輩の意地悪」

席を立って、シロちゃんを抱き上げてカーペットに座り込んだ。

先輩に背中を見せて、しっぽを振って寄って来たクロちゃんも抱っこした。

「なんだ、そいつらばっか可愛いがって。冷たいなぁ」

先輩が、隣であぐらをかくようにすわる。

「だってワンちゃんが、好きだから。うち社宅だし飼えなくて」

「そっかー、じゃあ遊ばせてあげるからまたうちに来る?」

「うん」

先輩が私の髪を優しく撫でて、近づいてきた。

2匹と私ごと先輩の広くて暖かい胸にすっぽりと包まれる。

そっと目を閉じて彼に体をあずけた。

心臓が早鐘を打つようにうるさい。

大好き、大好き、先輩。
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