先輩の彼女にしてもらいました
玄関を、でたところで先輩が手を握って私の顔を不安げに覗きこんできた。

「姉ちゃんの言ってたことは気にしないで。全部忘れて」

「うん」

先輩が、言うことならなんだって信じたい、だってあなたが大好きだから。

「桜はご近所さんで、幼馴染で、マネージャーだから別れたからって、完全に縁が切れるってわけじゃなくて。でも、蒼井さんに寂しい想いはさせたくない」

「私、大丈夫です。先輩と付き合えるのがまだ夢のようですから」

「夢か・・・」

「先輩」

「蒼井さんのこと、大切にしたいって、ちゃんと思ってるから」

先輩の優しい眼差しに頭がぼうっとしてしまう。

彼の手をギュッと握り返した。

さっき、走ってきた坂道を手を繋いでおりていくと、桜さんと大谷さんが坂道を上がってくる。

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