響くんとは付き合いません!!



「どういう意味?」

「とっ、とにかく!響くんとは……付き合いません」



付き合ったりなんかすれば、顔を近くで見られる機会が増える。



デートしてる途中にアイプチが取れたらどうしよう。

お泊まりをしたときとか、お風呂あがりはどうしよう。



一緒に過ごす時間が長いと、アイプチをしてることがバレてしまうかも。



響くんには、すっぴんを見られたくない。

響くんにだけは知られたくない。



「ごめんなさい。もう私には構わないで」



私の背中に回っていた腕が、力なく滑り落ちた。



「……わかったよ」



聞いたこともない暗い声が、私の胸をちくりと突き刺した。



< 145 / 441 >

この作品をシェア

pagetop