響くんとは付き合いません!!
「どういう意味?」
「とっ、とにかく!響くんとは……付き合いません」
付き合ったりなんかすれば、顔を近くで見られる機会が増える。
デートしてる途中にアイプチが取れたらどうしよう。
お泊まりをしたときとか、お風呂あがりはどうしよう。
一緒に過ごす時間が長いと、アイプチをしてることがバレてしまうかも。
響くんには、すっぴんを見られたくない。
響くんにだけは知られたくない。
「ごめんなさい。もう私には構わないで」
私の背中に回っていた腕が、力なく滑り落ちた。
「……わかったよ」
聞いたこともない暗い声が、私の胸をちくりと突き刺した。