響くんとは付き合いません!!



「きらいだよ」



だけど、なんでかな。

響くんにだけは、本当の私を知られたくないと思ってしまう。



幻滅されたくないって思ってしまう。

本当にきらいなら、幻滅されたところでどうでもいいはずなのにね。



連絡先を交換したくなかったのも。

一緒に帰ることが嫌だったのも。



私はそうやって少しずつ、響くんと仲良くなっていくことが怖かった。



「じゃあどうしていま満瑠は、泣きそうな顔をしてるの?」



あんまり仲良くなりすぎると、私の秘密がバレてしまうかもしれない。

すっぴんを見られる日がくるかも。



そう思うと怖くて、響くんには近づきたくないって思ってた。



「……わかんない」


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