響くんとは付き合いません!!



私の右手に被さる手が熱い。



響くん、家に誰もいないから心細かったのかな…。

響くんが高熱にうなされているのに、ご両親は仕事で不在だもんね。



寂しさや不安を抱えながら、ひとりで苦しんでいたのかな。



「ごめんね、響くん…。私が風邪をうつしちゃったばかりに……。つらいですよね」

「別に……いい。つーか、満瑠から風邪菌を奪いたかったから俺にとっちゃ大成功なんだよ」

「そんなことしなくてもいいのに…」

「だって風邪って、人にうつせば早く治るっていうだろ?満瑠がつらそうだったから……俺がもらおっかなって…」

「それが余計なことなんです!」



< 206 / 441 >

この作品をシェア

pagetop