響くんとは付き合いません!!



響くんから返事がない。

うつ向けていた顔をあげてみると…。



「……あれ、寝てる?」



響くんは私の手を握りしめたまま、寝息を立てていた。



「ついさっきまで起きてたのに…」



こんないきなり寝る?

せっかく、今なら私の秘密を話せるかもって思ったのにな。



「でも……ありがとう、響くん」



嬉しかった。

私の好きなところをたくさん言ってくれて。



私なんて、なんの価値もない人間だと思っていた。

存在意義すらわからなくなっていた。



心ない人たちに植え付けられたイメージが、響くんの温かい言葉に覆された。



私のこと、こんなにも必要としてくれる人がいるんだなって。

嬉しくて、涙があふれた。



< 215 / 441 >

この作品をシェア

pagetop