響くんとは付き合いません!!
響くんから返事がない。
うつ向けていた顔をあげてみると…。
「……あれ、寝てる?」
響くんは私の手を握りしめたまま、寝息を立てていた。
「ついさっきまで起きてたのに…」
こんないきなり寝る?
せっかく、今なら私の秘密を話せるかもって思ったのにな。
「でも……ありがとう、響くん」
嬉しかった。
私の好きなところをたくさん言ってくれて。
私なんて、なんの価値もない人間だと思っていた。
存在意義すらわからなくなっていた。
心ない人たちに植え付けられたイメージが、響くんの温かい言葉に覆された。
私のこと、こんなにも必要としてくれる人がいるんだなって。
嬉しくて、涙があふれた。