響くんとは付き合いません!!



「はよ、漆島」



ゲームセンターで遊んでからというもの、九折くんとよく話すようになった。



といっても、教室の中で朝のホームルームがはじまる前や、休み時間に少し話す程度。

それでもたまに話すだけだった関係からいえば、かなり親密になった方だ。



「あっ、うんおはよう九折くん」



今日も九折くんは、教室の中に私の姿を見つけるとニコニコしながら話しかけてきた。



「なぁ漆島、明日の土曜日ってなんか用事ある?」

「ん?明日?別にないよ」



学校がお休みの日は、暇を持て余していることが多い。

奈央ちゃんを含む数人の友達は、土日は実家で過ごす子ばかりだから。



ひとけの少ない寮で、談話室でテレビを見たり学習室でパソコンをしたり。

そうやって暇を潰している。


< 260 / 441 >

この作品をシェア

pagetop