響くんとは付き合いません!!



いっそのこと、忘れられたら…。

私も同じことを、何度思ったことかわからない。



「満瑠。響のためにも、自分のためにも気持ちに正直になってよ。響はちゃんと、受け止めてくれるから」

「なんでそんなことわかるのよぉ…」



涙が次から次へと溢れて止まらない。

奈央ちゃんは泣きじゃくる私の背中をさすりながら、優しく微笑んでくれた。



「わかるよ。だってアイツとは幼稚園児からの仲だもん。響がこんなにも誰かを好きになったこと、今までなかったんだよ」

「でも……。嫌われちゃったらもう時間を巻き戻したりできないじゃんかぁ」

「大丈夫だよ。アイツ、満瑠のこと本当に大好きだから。ちゃんと受け止めてくれる」



奈央ちゃんの優しい声に、言葉に。

しばらくの間、涙が止まらなかった。



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