響くんとは付き合いません!!



そっと腰を屈めてみると、私の膝に前足をついて口元を舐めようとしてきて。



「あははっ!ちょっともうっ……くすぐったいからぁ!」



そういえば実家で可愛がっていた愛犬も、やたら顔を舐めるのが好きだったなぁ。



「ん……あれ?響くん、そんなところで何してるの?」



足元で尻尾を振る犬を触るでもなく。

私の1歩後ろで、ただじーっと立ってるけど…。



「いや……別に…。なにも…」



あれ、なんだか表情が固い?



「ワンちゃん、響くんにヨシヨシして欲しそうにしてますよ?」

「うん。それはわかってるけど…」



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