響くんとは付き合いません!!
「お、ちょうど10分後に電車来るみたいだな」
「いいタイミングですね」
駅につくと時刻はちょうど17時だった。
10分後に来た電車に乗って、20分かけて最寄りの駅に戻り、そこから歩くと門限より少し早い時間に帰れる。
だからこの電車を逃してしまったら、18時の門限には間に合わないわけで。
でも切符を買うことに10分もかからないから、まず逃すことはない。
「ん……あれ…?」
いざ切符を買おうとバッグを開けると、黒色の長財布が見当たらない。
「どした?」
「え……ちょっと待って。おかしいなぁ…」