響くんとは付き合いません!!
早瀬くんは驚いた顔をしながら、私の手をぱっと離した。
「……そっかそっか。わかった、無理強いして悪かったな。そこまで言うならもう関わらねーよ」
途端に、顔から笑顔が消えた。
くるりと背を向けると、私の前から離れていく。
『知りたくもない』だなんて、思いつくがままに言ってしまったけど…。
もしかして……傷つけてしまったかな?
遠のいていく彼の背中が、1年前の自分の姿と重なる。
『あははっ、山岸くん漆島さんに告られたんだってー?付き合わないの?』
『は?誰があんなブスと』
『まぁたしかに顔は残念だけどさ、性格は優しくていい子なんだよ?』
『あー、そう?ブスには興味ねぇからなぁ、俺。漆島の性格とかそんなもん、知りたくもねーし』