響くんとは付き合いません!!
クレープは、私が最も好きなスイーツだ。
『どうする?行かないならそれはそれでいいけど』
『や……待って。行く、行きますっ』
クレープを食べたら、すぐに帰ればいいんだもんね。
『じゃあ校門の前でな。すぐ来いよ?』
またまた……早瀬くんの誘いにのってしまった。
早瀬くんって、駆け引きがすごくうまいんだよな。
私の出方を見ながら、言葉巧みに自分の思い通りにことを運ばせる。
さすが恋愛経験が豊富なだけある。
女の子の扱いが上手いな。
「ねー菜摘、なんならダブルデートがよくない?私も頑張って誘ってみるからさ」
「お、じゃあふたりまとめてつり橋効果狙っちゃお」
恋愛トークが飛び交う談話室を出た私は、そのまま寮の外へ出た。