はつ恋の君をさがしてる
まったく…素直じゃねぇなぁ~
さみしいって顔してたくせに……。

俺はゆっくり湯船に浸かりながら夕食時のあいつの顔を思い出していた。

本当に素直じゃない。
と言うより甘えかたを知らない。
親父も言ってたが、あいつはひとりで居ることに慣れすぎて人を頼れない性分になっちまってるらしい。
俺が何とかしてやらないと……

あいつが俺に甘えてすり寄る姿を想像して妙に熱くなる自分を宥めて風呂を出た。

「もう寝てるよな?」

昨日からなんだか疲れた顔をしていて気になるが、あいつの安眠を妨害するのは逆効果だよな?

分かってはいたが、そっと鈴加の部屋のドアを開けてみる。
案の定鈴加は気持ちよさげに眠っていた。

そっと近づいて頬に触れる。
顔色を伺うが異常はなさそうだ。
それにほっとして部屋を出た。
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