はつ恋の君をさがしてる
「ちっ。結局俺の仕事がふえてんじゃんか!」

無駄にイケメンな長身男はそう言うなり私を荷物のように担ぎ上げた。

「なっ…!なにするんですか!」

驚いた私は必死に降りようと身を捩ったけれど、うるさい!と耳元で怒鳴られて怖くて動けなくなってしまった。

そして気がつくと、ソファーのようなイスにそっとおろされていて、イケメン男は足元に膝をついて私の足をじっと見ていた。

「これはまた、ずいぶん派手に擦りむいたな~」

男は呆れたように言うと、擦りむいて血が滲む膝に触る。

「痛い!」

思わず足を引こうとみじろいだが、イケメン男がガッシリと足首を掴んでいて動けない…


「大丈夫ですか?お客さま。なにかご入り用の物はごさいませんか?」

突然遠慮がちに掛けられたその声に、ふと見上げると、目の前にはいつも弁護士の平原さんと訪れているレストランのオーナーが心配そうに立っていた。


あぁ、そうか!
ここはレストランのエントランスだったのか…。
イケメン男は私をレストランまで運んでくれたと言う訳か…にしても

年頃のレディを荷物のように担ぐなんて……

恥ずかしい。
穴があったら入りたいってのはこう言うのを言うんだなぁ~
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