はつ恋の君をさがしてる

「こちらこそ。澤田鈴加です！事情があって今日から高嶺さんの部屋に同居することになりましたので、よろしくお願いします。」
同居の部分に若干力を込めつつ自己紹介してみる。

高嶺さんが後ろで肩を震わせて笑っているのがわかる。
さらに実咲さんの後ろでも相良先生が……。

ドスッ！！

すばらしく素早かった……

実咲さんは何でもないことみたいに爆笑している相良先生に肘鉄を喰らわせて、私にごめんなさい～と謝ってくれた。
悶絶している相良先生には悪いと思ったけれどかなりスッキリした気がする。

その後は一緒にエレベーターに乗り込み、本当に明日一緒にお茶をする約束をして実咲さんと別れた。

かなり楽しみにしている自分に驚く。
初対面の人といきなりお茶の約束なんて初めての事なのに……相良先生の奥さまだからかな？

なんてことを考えていてうっかり忘れていたが、気付いたら高嶺さんの部屋の前だった……。

やばい。
二人きりの初めての夜だよね？
大丈夫かな？私……

高嶺さんが振り向いてまたニヤリと意地の悪い笑いを作る。
「さて鈴加？覚悟は良いか？まぁ逃がさないけどな！」

わざとらしい低い声で威圧感たっぷりにそう言われて、私の心臓は煩いくらいにドクドクと高鳴った。

どうしよう！？
これは……早くもピンチか？
どうする？わたし？