眩しさの中、最初で最後の恋をした。
カットしたものを今度はひたすら端処理にロックミシンのペダルを踏みまくり、ひたすらミシン。
その後形を作り、何もないのも悲しいのでポケットまで付けて完成させた。
更にポケットにはクラスと和風喫茶の文字を布用ペンで書き込んだ。
これでクラスTシャツにも負けない存在感を出せるだろう。
ひとり完成したのに納得していると、ヒョイっと顔を出してきた日菜子に驚く。
「日菜子。急に出てくるとビックリするよ!」
思わずキツめになる口調だが、そんな私には構わず手元の完成したエプロンを見て言った。
「さすが、有紗!これ、めっちゃキレイだよ!」
日菜子のその声にクラスメイト数人が手を止めてこちらに来る。
「わ!汐月さんこれすごいね!」
「使いやすそう!」
「シンプルだからこそ綺麗に仕上げてくれたのがわかるね」
そんな声に、少し首をすくめて私は返した。
「その言葉でちょっと安心したよ。喜んでもらえてよかった」
ニッコリ、言うとみんなも笑って返してくれる。
「いやいや、このクオリティ売り物にできるよね!」
「これ、このまま持ち帰りOKなんだよね?」
そんな問いかけに、うなずいて答える。
「クラスの人数分作ってるから持ち帰り大丈夫だよ」