眩しさの中、最初で最後の恋をした。

「有紗ちゃんは本当に器用だね!」
「有紗のおかげでカフェもいい感じになりそうだしな」

そんなふたりの言葉に私は、そうでもないと思うけどなと首をかしげてしまう。

「本人には、貢献してる自覚が無いみたいだよ」

クスクスと笑う蒼くん。
要くんは少し呆れ顔。

「クラスの人数分のカフェエプロン作ってるんだからダントツの貢献だろう?それに、メニュー表の案も採用されてるし」

提案と言っても和風喫茶だから、メニュー表には和柄が入るように和紙を使ってみたら?くらいの提案だった。
それも貢献なの?

不思議そうな顔をしていたのだろう。
私を見て日菜子と蒼くんと要くんが仕方ないなって顔をしている。

「無自覚に、色々しちゃうのが有紗だからね」

そんな三人に、茜が言うと三人はとっても納得した顔をしてうなずいた。

「それ昔からか?」
「そう、昔からよ」

茜と要くんがそんな確認をしている。

だから、私はそんなだったかな?と振り返りつつ首をかしげてしまう。

「本当に、無自覚だから良いのよねぇ」
「そこがほっこりさせられちゃうところだよね」

日菜子と蒼くんまで言っている。

「有紗は無自覚の世話焼きなのよ。しかも押し付けがましくないし、ほんわかしてて無自覚に行動するから受ける相手も嫌にならないのよ」

茜に言われて、そんな自覚はなかったのでびっくりした。
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