眩しさの中、最初で最後の恋をした。

「先生に頼まれた一学期の中間だけでなく、その後は期末、二学期中間と毎回テスト対策ノート作ってくれてるし」

「部活で忙しいと言えば、何かしらの差し入れ持ってきてくれて。しかもそれが大体私の好物だし!」

「俺は英語だけ苦手だけど結局全教科まとめノート作ってくれてるよな?」

三人に言われると確かにそんな感じだけれど。

「お節介過ぎた?」

「いや、めっちゃ助かってて。むしろ今後もお願いしたいくらい」

揃っての返事に聞いてた茜は、クスクス笑い出した。

「末っ子のはずなのに、この面倒みの良さはなんでだろうね?」

そんな茜の言葉に三人は顔を見合わせつつ、蒼くんが言った。

「もう、有紗ちゃんは天性の世話焼きなんだと思う」

蒼くんのこの、最後の一言にはずっと聞いていたクラスメイト達も大いにうなずいていた。

そんなことないと思うんだけれどな。
ぼんやりと思っていたのだけれど、そんな私をクラスのみんなと日菜子達はニコニコと微笑ましげに見ているのだった。

こうして、和やかに準備しつつ迎えた金曜日。
今日はプレ文化祭で、校内の生徒のみで楽しむ日だ。

私はクラスの和風喫茶と、家庭科部の両方に顔を出すから意外と忙しくバタバタしている。

「当番交代ね!何かあったら電話して!クラスの方にいるから」

そう告げて慌ただしく移動する。

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