眩しさの中、最初で最後の恋をした。

だから、私はここで伝えることにした。

「要くん、私がもしも今出来ることが出来なくなったとして。そんな私でもそばにいてくれるの?」

私の問いは、声は自信がなくて震えている。
要くんは私の問いかけが予想外だったのか、少し目を見開いたあとにしっかりと答えてくれた。

「人は出来てたことが出来なくなったり、出来なかったことが出来るようになったりするものだろう?そんな事で離れるほど俺の気持ちは軽くないよ」

その言葉は私の心に真っ直ぐに届いた。
そうだね、出来ることが出来なくなったり、出来なかったことが出来たりするのが生きていく上ではきっと沢山あるだろう。
私は近く出来ないことが増えてしまうけれど、それはまた努力すれば出来るようになることがあるという事でもある。

ずっと失う事ばかりに目がいっていた私には、要くんの言葉がストンと胸に落ちてきてハマったのだ。

「要くん、結果発表があったあとで返事してもいい?」

「うん、いいよ」

「ありがとう」

そのあとは、たわいのない話を少ししているうちに一般公開の終了案内が流れたので私達は自分のクラスに戻ることにした。

その手をしっかりと繋いで歩く。
この時、私はしっかり心の答えを決めていた。

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