眩しさの中、最初で最後の恋をした。

三人が並んで周りが落ち着いた頃、司会役の実行委員が話し始めた。

「それでは、今年のミスターの結果を発表します。今回、ほぼ全ての生徒が投票しており有効票となっています。それでは、本年度のミスターは!」

私は聞きながらも無意識のうちに胸の前でキュッと手を握りしめた。

「松島要くんです!」

ワーッと、周りから声が上がる。

「おぉ!要、やるじゃん」
隣にいた日菜子はそんな感じで感想を漏らす。

「ま、組織票もあるよね。日菜子と水木くんでテニス部とサッカー部はみんな松島くんに入れてたし。三年生も、みーんな松島くんだからね」

そんな茜の言葉にビックリして目を向ければ、ニヤニヤとした顔をして言う。

「三年生の我々はね、松島くんと汐月さんの関係を見守り隊!!が結成されてて。頑張れ松島くん!が合言葉で、ふたりがミスとミスターで並ぶの見たいってそんな組織票がね!」

「ねー!みんな頑張ったよ」

茜の言葉にドヤ顔の日菜子。
君たちどんだけ団結してるの。

私は聞いて呆気に取られてしまった。

ミスターに選ばれた要くんは数年前の家庭科部の先輩が作った赤のベルベットのマントを付けられている。

うん、なんでも様になるのはイケメンだからか!
ただしイケメンに限るってのは、あるんだなとこの時ヒシヒシと感じた。
そして、周りからはフラッシュの嵐だった。
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