眩しさの中、最初で最後の恋をした。
「今回のミスターはダントツで松島くんでした。
受賞した感想を聞きましょう!」
「松島くんおめでとうございます!今年のミスターに選ばれました!いかがですか?」
その問いに、要くんは至極まじめに答えた。
「みんな、投票してくれてありがとう。あとはミスの結果待ち。みんな分かってたんだろ?ありがとう」
フワッと笑った要くんに一気に会場の温度が上がる!
私はドキドキしてキャンプファイヤーとは違った熱で顔を赤くする。
「要、やるな!」
「ま、松島くんはこんな感じよね」
隣の女子二人は嫌に冷静だけれど、そろそろミスも発表だよ、日菜子。
私の気持ちはありありと顔に出てたらしく、私を見て日菜子はクスクスと笑った。
「有紗、大丈夫!あんたの方もバッチリ組織票動いてるはずだから」
親指をグッと立てて、実にいい笑顔で日菜子が言うので私は脱力してしまう。
「有紗。私と日菜子が組んでてことが上手く運ばないわけないでしょ?」
策士というか、実に人脈の広いふたりなので私はなんだか胸がムズムズしつつ答えた。
「ふたりとも不思議なほど人脈が広いもんね……。分かってるよ」
そんな苦笑いする私を、ポンと肩を叩いて茜はステージへと送り出してくれた。
隣にはもちろん同じくエントリーしている日菜子。
しかし、その顔は実に晴れ晴れとしており私とは対照的だった。