眩しさの中、最初で最後の恋をした。
ミスにエントリーしたのは私と日菜子、それに前生徒会副会長の前田さん。
「瀬名さんそちらの首尾は?」
「もちろん抜かりないわよ。そっちはどう?」
「こちらも上々です。これで問題なく実現しそうですね」
並んだふたりは何やら話しているので首をかしげて見つめると、前田さんが話してくれた。
「ふふふ。相変わらず可愛らしいですね、汐月さん。私は実は見守り隊の隊長ですから。この度のコンテスト、組織票動かすべく徹底的に動きました。抜かりありません」
キラっと輝く銀縁メガネの知的女史な前田さんが!
あの真面目で落ち着いた大人なイメージの前田さんが!!
ガラガラとイメージが音を立てて崩れていくのを感じた……。
「そうだったの……」
ビックリしすぎて一言しか返せなかった。
しかし、前田さんはそんなこと気にしてなかった。
「ふふ、我々見守り隊はこのコンテストでおふたりが並ぶのを見たい!そのためにありとあらゆるツテを駆使しました!」
あぁ……、副会長はどちらかと言うと漫研の気質だったんだね。
納得……。
そして、周りが落ち着いた頃。
再び司会役の実行委員が話し出す。
「それでは、これから今回のミスの結果発表を行います!」
会場はまた一気にテンションを上げて行った。