眩しさの中、最初で最後の恋をした。
「今年のミスは!みんな分かるかな!」
「きゃー!お姉さま方!キレイ!」
「可愛い!可愛すぎる!」
あれ?男子より女子の声が大きいぞ?
不思議な顔をしている私に、日菜子が隣からそっと教えてくれた。
「あんた、実は下級生女子にも大人気なのよ。分け隔てなく優しくしてるし、うちの部には大量のクッキー差し入れたりしてくれたでしょ?困ってる子には声をかけたりしてるから、結構ファンが多いのよ」
知らなかった。
困ってる子を見るとほっとけなくて、声を掛けたりはしてた。
私に出来ることなら解決してあげることもしばしばあった。
まさか、こんな感じになってるとは思わなかったけれど。
「だから、じれじれなふたりをくっつけたいんだ!このチャンスに!と言えば下級生達はこぞって汐月さんと松島くんに投票してくれた。実にやりやすかったよ」
副会長、めっちゃ動いてたんですね……。
メガネがキラっと光ってます……。
「それでは、結果を発表します!今年度のミスは汐月有紗さんです!」
「汐月さん、ミスターの隣に来てください」
こうして、盛大に周りが動いた結果。
私と要くんは、このコンテストで並ぶ結果になった。
要くんの隣に行けば、要くんはにっこり笑うと委員から預かったのかミスに付けるおもちゃのティアラを私の頭にのせてくれた。