眩しさの中、最初で最後の恋をした。

要くんは黒のデニムにインナーがチェックのシャツでその上にベージュのセーターを着ている。
靴はハイカットのスニーカー。

背の高さもあってモデルさんのようにカッコイイ。
お姉ちゃんにヘアメイクしてもらっていて良かったと、要くんの姿を見てホッと一息ついた。

「おはよう。有紗今日すごく大人っぽい。キレイでちょっとドキドキする」

照れくさそうに、私を見て言う要くんに私もキュンときてしまう。

「要くんもカッコイイよ」

ちらっと見上げつつ言うと、照れくさそうに笑いながら手を繋いでくれる。

「ありがとう。あっち空いてるから座ろうか?」
「うん」

少し移動してふたり分の空きをみつけて座る。
そして、要くんのスマホでこれから行く先の中華街で口コミの良さそうなお店を探してみたり、ショッピングモールで何を見ようか話したりしているうちにあっという間に乗り換えの駅。
ここから歩いてもいいけれど少し距離があるので今回は主要駅から乗り換えだ。

市営地下鉄に乗り換えると、数駅で目的地の最寄り駅へとたどり着く。
地下鉄はさすがに観光地に向かう電車のため混んでいて、ドア付近にふたりで立っていた。
駅に着くとまた手を繋いで歩き出す。
今日は前に出かけた時とは違い、初めて繋ぐ恋人繋ぎ。
手の繋ぎ方ひとつでこんなにもドキドキするなんて、初めての恋に私はなんとかついていく感じだ。
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