眩しさの中、最初で最後の恋をした。
終業式の学校はクリスマスイブも相まって、とっても賑やかな雰囲気だ。
その雰囲気は下級生に多く、受験生の三年生はキリキリとした雰囲気もある。
この冬休みが受験のラストスパートだから、みんな必死だ。
そんな中、今日デートの私達が異質なのだろう。
それもこれも、受験が無事に済んでる要くんが相手だからだと思うけど。
「おはよう、日菜子」
下駄箱で日菜子を見かけて声をかける。
振り返った日菜子の手には単語帳。
「おはよう、有紗。あー、もうそろそろ私の頭パンクしそう!」
部活を引退してから頑張って勉強を始めた日菜子は今学期の期末テストでは順位を大幅に上げて、模試でも志望校はB判定まで上がった。
この年末は塾と模試三昧だと言っていたので、少しやつれてるのは仕方ないだろう。
「日菜子、あと少しだからファイト!」
私は励ますと、日菜子も笑顔を見せてくれた。
「うん。やりたい事は見えてきたから頑張る」
その前向きな姿はやっぱり眩しくて、少し羨ましかった。
私は黙っているけれど症状のこともあって、進学は見送ることにした。
3ヶ月毎の定期検診で今年に入ってからは視力低下の進みが早いから、ストレートでの進学を諦めた。
やりたい事の中に大学に行くこともあったので、頑張って勉強して実は大検を取っているし、このまま症状がなんとかなれば高校を卒業出来るので問題ない。
落ち着いてから受験しようと思っている。