眩しさの中、最初で最後の恋をした。
教室に着けば、蒼くんと要くんが既に登校していた。
「要くん、おはよう」
「おはよう、有紗」
クラスでは席替えをしたけれど、私と要くんはまた隣同士になっている。
だから、プレゼントもバレバレなのだけれど机の脇にそっと小さな手提げを掛けた。
「有紗、お昼何食べたい?」
「ファミレスでいいよ」
「どのファミレス?」
「パスタが食べたい、ピザも!」
私の欲張りな感じに要くんが笑った。
「ピザはシェアなんだろ?」
「うん!」
そんな会話をしている私たちの周りは落ち着いてる人が三分の一。
推薦で進学が決まった子や就職先が決まった子は落ち着いた雰囲気でこの冬休みを迎えている。
受験組は時間を惜しむかのように勉強している姿がある。
日菜子と蒼くんはそんな感じだ。
「おー、みんなおはよう。終業式だからな。体育館へ移動しろ」
担任の三浦先生の声に移動を始める。
階段を降り外廊下へと出ると、やはり外は寒い。
コートやマフラーは置いてきちゃったから、少し寒さが身に染みる。
隣を歩いてた要くんがすっと手を出すと、私の手を取って繋いできた。
こんなに周りに沢山同級生がいる中で手を繋ぐのは、ビックリして恥ずかしさが込み上げて、きっと私の顔は今赤い。
そんな私を見てクスリと笑うと要くんが言った。
「寒いから、いいだろ?」
それに、私は首を振ってしか返事が出来なかった。