眩しさの中、最初で最後の恋をした。
寒い体育館で、いつもの如く校長先生の休み中の注意を聞いて終わればみんな足早に教室へ向かう。
寒い寒いと思ったら、空から珍しくチラホラと雪が舞ってるのだ。
この辺りは雪は珍しい。
しかもこの時期に降ることは滅多にない。
「イブに雪が舞うなんて、私記憶にないよ?」
「珍しいよな、でもすぐやんじゃうだろうな」
「そうだね、一瞬のホワイトクリスマスイブだね」
帰りも寒さの中手を繋いで私と要くんは教室へと向かった。
教室へと戻ってすぐに担任の三浦先生も来て学期末なので通信簿を出席番号順にもらう。
もらった通信簿は体育以外はしっかり取れているのにホッとして、鞄にしまう。
私がしまう頃に、要くんも通信簿をもらって席に戻ってきた。
「どうだった?」
「ん。問題なかった」
その言葉にホッとしつつ、通信簿を配り終えた先生が校長先生と同じような注意事項と風邪に気をつけろよとの一言をつけてホームルームを終えた。
受験組は足早に帰宅していく。
私と要くんは少しゆっくりしていた。
「有紗、良いお年を!」
「日菜子も良いお年を」
そんな私たちと似たようなやり取りがそこかしこから聞こえつつ、みんな教室を出ていく。
私と要くんも帰り支度を済ませると、手を繋いで歩き出した。