眩しさの中、最初で最後の恋をした。
一月 新しい年明けとともに新たな一歩を
クリスマスイブの日、しっかりと話せたことで私と要くんはまた少し関係が変わったように思う。
それは良い方向に。
今まで隠してたことで、症状も現在の状況も教えていなかった。
その事に要くんが少し考え顔で言った言葉が胸に痛かった。
「聞いていたなら、もっと気遣った行動が出来てたよ。多分待ち合わせじゃなくて迎えに行ってた。今日みたいに」
そう言われた。
クリスマスイブに手編みのニット帽をプレゼントした時、今の私の症状について話した。
「要くん、これプレゼント。多分この先はなかなか手作りのものをあげられないかもしれないから、気持ちを込めて編んだよ」
そう言って手渡したニット帽を、丁寧に取り出して被ってくれた。
グレーの縄編みのニット帽は要くんによく似合っている。
「あのね、これを編む時に気付いたんだ。症状が進んだみたいでね。手元にピントを合わせるのも短時間が限界で、また症状が進んだみたいなの」
私の言葉に要くんは少し驚いて、そして言った。
「今は?見え方は大丈夫なのか?今日、帰りは家までちゃんと送るから」
ひとつ息を吐くと要くんは続けた。
「これから出かける時は待ち合わせじゃなくて迎えに行く。それは有紗が大切で心配だからだ。今回話してくれて良かった。知らないと何も出来ないから……」
要くんの最後の一言が痛かった。
私だって逆の立場なら、知って相手の力になりたいと思うんだとこの時気付いた。