眩しさの中、最初で最後の恋をした。
二月 進む症状、初めてのバレンタインを貴方と
一月中旬、私はなんとか高校で最後の学年末テストまで受け終えた。
現在は二月。
受験本番の時期にさしかかり、学校は自由登校になった。
自由登校に入ると私の視力低下はまた進み、人の顔や物を見るのにかなり近付かないと分からない。
そんな状態になっていた。
だから私は自由登校になったいま、家でゆっくりと過ごしている。
また、症状が進んだ私が危なくないように家の中で部屋替えが行われた。
今まで両親の部屋だった一階の部屋と、二階の私の部屋を入れ替えたのだ。
そろそろ階段の段差も目で見るのは難しくなってきたから。
少しでも私が過ごしやすいようにと、両親とお姉ちゃんの手伝いもあってそうした部屋替えを行ったのだった。
高校の卒業式まで待ったあと、私は中途失明の人々のための生活訓練施設に一ヶ月ほど入所して生活するための訓練を受けることにした。
出来なくなることを嘆くだけでは何も出来ないままになってしまう。
私はちゃんと自立した人生を送りたい。
そう思って、家族と相談して決めた。
要くんとは、最近は家に来てもらってゆっくり話したりして過ごしている。
外を出歩くのは難しくなってしまったからだ。
そんな中でも私が今頑張っているのはバレンタインのチョコ作りだ。
お母さんやお姉ちゃんに付き添って手伝ってもらいながら。初めてのバレンタインだから。
どうしても手作りの物を要くんにプレゼントしたくて頑張っている。