眩しさの中、最初で最後の恋をした。
今朝の腕を組んでるように見えた姿の理由まで話せたので、ふぅとひと息つくと先生に言った。
「私からの説明は以上です。こんな状態で残り少ない間に迷惑をかけるかもしれないけれど、みんなと一緒に卒業したいの。最後までよろしくお願いします」
私は頭を下げた。
すると、静かだったクラスメイト達が話し始めて騒がしくなる。
「いや!頭下げることじゃないし!」
「そもそも、汐月さん本人が一番大変でしょう?」
「ねぇ、日菜子!トイレとかは女子で助けないと松島じゃトイレは無理でしょ?」
そんな会話が次々と飛び出してくる。
迷惑をかけることになるのを、どう受け止められるのか少し不安だったけれどクラスメイト達は優しかった。
「有紗、大丈夫だよ!何かあればクラスのみんなで残り少ない学校生活フォローするから。みんなで卒業しようね!」
日菜子の言葉に、うなずく皆は嫌な顔をしてないだろうか。
見えない私には確認の仕様がない……。
私の不安を分かって、そっと耳元で話してくれたのは要くんだ。
「有紗、大丈夫。みんなびっくりはしたけど、有紗の事を嫌がってる人も面倒だという顔をしてる人もこのクラスにはいない。クラスメイトはみんな有紗の味方だ。大丈夫だよ」
その言葉に、私はここまで続いた緊張の糸を緩めて肩から力が抜けたのだった。