眩しさの中、最初で最後の恋をした。

中一日おいて、また登校日になる。
今日は体育館で卒業式の作りのまま入退場練習を兼ねて、三年生を送る会が行われる。

今朝も家まで迎えに来てくれた要くんと、バスと電車を使って登校してきた。
先日の登校日の様子から、下級生にも私の事は広まったようで校門から昇降口までまたも先日の廊下と同じ現象が起きたよう。
それを見て思い出してしまった要くんは、クックっと肩を震わせつつ歩いた。

私にはわからないので急に笑いだした要くんに心配して声をかけたら、そう教えてくれた。

どうやらその現象が要くんには妙なところでツボに入ってしまったらしい。
私も、こうなったら要くんが笑いだしたらそんな状況なのだと思うことにした。

下駄箱の前で今日もやり取りしながら履き替えていると、今朝も元気な声が聞こえてきた!

「有紗!おはよう!要もついでに、おはよう」

日菜子の元気な声に、要くんが返事を返す。

「俺はついでか。ま、いいけど」

クールな返しに、日菜子も特に気にしない。
幼なじみらしいやり取りにクスクスと笑っていると、蒼くんが遅れてやってくる。
自転車通学だからきっと駐輪場に置いてきたから、この時間差なんだろう。

「要、有紗ちゃん。おはよう!」
「おはよう、蒼くん」
「聞いてよ、今朝は迎えに行ってふたりで自転車通学だったのに日菜子は着いた途端に俺を置いて行ったのよ?朝からめっちゃ漕いだのに!」


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