眩しさの中、最初で最後の恋をした。

電車を降りながらも、私たちの会話は途切れない。

「そうだね。日菜っちはほっとくと海に突撃しそうだから、捕まえとかないと」
クスクス笑って言う蒼くんも、だいぶ日菜子との距離がぐっと近くて親密度が上がった感じだ。

「おう、こいつ犬並にはしゃぐから綱つけとけ!」

「要!本当に私の扱い酷くない!?」

「日菜子だからな」

フッと鼻にかけつつ言う要くん。
それにカチンと来たらしい、日菜子は蒼くんに訴えだした。

「蒼くん!笑ってないで、なんとか言って!」
「うん、でも日菜っち喜びでテンションあがると鉄砲玉みたいにポーンと飛んでくでしょ?」

まさかの、彼氏からも肯定的発言が出ると、日菜子も項垂れつつ認めざるおえなかったようで、苦い顔して呟いた。

「……、うぅ、言い返せないぃ」

悔しそうな日菜子を見て、私達には思わず笑いが溢れる。

「日菜子、今日は散策にして。多分三人のペースに着いてったら私、バテちゃう」

多分今は、要くんが日菜子に声を掛けてセーブしてくれてる。
それを聞いて察した蒼くんが、日菜子を突っ走らないように止めてくれてるのだ。

おかげで今のところ疲労すること無くいられている。
要くんが私の一歩に合わせて歩いてくれてるからだ。

しかも、手を繋いでいる……。
さて、これはスルーして良いのだろうか?
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