眩しさの中、最初で最後の恋をした。

「そろそろ出て、お昼食べに行こうか?」

その蒼くんの声がけに、皆で頷いて賛成して水族館を後にした。

ちゃんとお土産物屋さんで、お姉ちゃんや両親へのお菓子を買って出た。

皆もそれぞれにお土産を買ったみたい。
荷物片手に海沿いを歩いて、橋を渡って島に入る。

海にはサーファーが居たし、観光客も多い。
有名な場所なのだ。

その島も観光地だから、そこそこ人が居る。
そんな中で歩いて見つけた定食屋さんでお昼にした。

この地域で話題のしらす丼は新鮮で美味しかった。
男の子達はしらす丼プラス刺身定食と言う組み合わせ。
中々のボリュームだけど彼らはペロッと平らげた。

運動部男子の食事量は凄いんだなぁと、見ていて気持ちいい程の食べっぷりだった。

「あれ?有紗食べきれそう?」

ゆっくり食べていた私だが、そろそろ実はキツくなっていた。

「要くん、ちょっと厳しいかも……」

素直に食べ切れそうにないことを伝える。

「無理すんな?ダメなら俺まだ入るから食べるしな」

そう言ってポンポンと頭を撫でてくる。

向かいで食べてた日菜子と蒼くんが顔を見合わせて、私達に言った。

「要と有紗の方がよっぽど仲良しカップルに見える!」

二人声揃えて、ニマニマ顔で言うので

「そんな事ない!君らの方がラブラブだから!」

と突っ込んでおいた。
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