眩しさの中、最初で最後の恋をした。

お昼を食べ終わったあとは有名なローカル線に乗り、本格的に観光した。

大仏が有名なお寺、境内までの参道にある有名なお店通りでは手焼き煎餅を食べたり、さつまいもソフトクリームをパクついたりした。

そうして訪れた八幡宮は広い境内をひたすら歩き、参拝。
そこで、わたしは折鶴の形の根付守りを買った。
見た目が可愛らしくかつ、綺麗だと感じたからだ。

たまに、猫が歩いたり、木上をリスが走ってったり。
境内の中は意外と動物がいて驚く。

「リス、可愛い!けどすばしっこいね!」

「確かに!動き早くて写メ撮れなかったよ」

そんな話をしつつ、観光地を後にして私達は帰路についた。
すっかり夕方近くなっていた。

学校の最寄り駅についたのは19時頃。

「おやつ食べたけどお腹減ったよね!ご飯食べて帰ろうよ!」

その日菜子の声に、私達は放課後にもたまに立ち寄るファミレスへと足を向けた。

ファミレスでもすっかり皆で食べながら話し込んで、気付けば午後は十時に差し掛かっていた。

「さすがにそろそろ帰らないと不味いな!」

そうしてお開きになる。

当たり前のように、私の隣に来て手を繋ぐ要くんに聞いた。

「要くん?もう帰るんでしょう?日菜子と歩きじゃないの?」

そう、疑問を口にすれば要くんはあっさり返す。

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