眩しさの中、最初で最後の恋をした。

七月 期末テストと球技大会


梅雨の明ける頃……。

私以外の三人は再び頭を抱えていた。

夏休み前、期末テストの時期である。
今回は期末ゆえ、範囲も教科も多い。
テスト期間は長く、容赦の無い範囲と教科数に三人は根を上げていた。


「振り返っても分からん!解ける気がしない!終わった!今回は終わった!!」

日菜子は大きく叫んで頭を抱えて机に突っ伏した。

「日菜子!お前もか!?仲間だな!でも次が引退試合!赤点なんて取ってらんねえ!」

叫びながらも、顔には悲壮感漂う蒼くん。


「日本から出る事無いのに、英語の授業のある意味が分からん!!」

最後はこの中では一番マシだけど、英語が壊滅的な要くん。


嘆く三人を見つつ、私はそっと息を吐き出す。
ちなみに三人は嘆いているが、このテスト範囲は酷ではないし、ちゃんと勉強すれば大丈夫だと思われる。


しかし、ここにいる三人は部活命の三人なのだ…。
普段の放課後はサッカーの練習を、日菜子はテニスをしている。

運動が中心の生活なのだ、しかも引退前。
今は練習に時間を割きたいだろう…。

私はこんなこともあろうと、用意していた物をカバンから取り出した。

「はい、これ期末テスト対策用ノート。主要科目は網羅してるから。頑張れ!」


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