眩しさの中、最初で最後の恋をした。
鞄から取り出したのは、私自身の復習を兼ねてテスト範囲をまとめたノートだった。
それを見せると日菜子と蒼くんは目を輝かせ、要くんも英語の範囲を見ようとしていた。
「有紗!ありがとう!もう、有紗神様!!」
日菜子が大げさに喜ぶので、苦笑してしまう。
「そんな大げさに喜ばなくて大丈夫。これは私がテスト前に復習に使った物なだけだから」
にっこり笑って言うと、三人は目を丸くしてしまう。
「有紗ちゃん、テスト前にってこのノート分は勉強が済んでいるってこと?」
蒼くんがびっくりしながら聞くので、何でだろうと首を傾げながらも答える。
「うん。そもそも授業を聞いて日々復習してれば、テスト前にそんなに慌てないよね?」
私としては日々そんな過ごし方だから、テスト前に慌てることが無い。
しかし、そんな私の過ごし方はあまり当たり前ではなかったようで。
「ごめん、俺ら運動バカの集まりだから。有紗みたいには出来なくて、テスト前はこうなる……」
視線を斜め下に逸らしながら、要くんが言う。
「有紗みたいにしてれば良いんだろうけど、部活後ってお腹すいて、食べたら眠くなるのよ」
「うん、俺ら身体に正直に生きてるから。こうして頭使う時に苦労するんだよな」
と日菜子と蒼くんは自身の生活ぶりを語る。