眩しさの中、最初で最後の恋をした。
茜は、どこに入れてた?と言いたくなる程の物を出してくる。
コテに、メイク道具、鏡に櫛、ゴムにヘアピン。
学校のカバンに何を入れているのだ?とはなはだ疑問だが、それらを器用に駆使して私は普段のストレートの髪型からゆるふわカールのハーフアップスタイルに髪型を変えられた。
さらに、日焼け止めとリップクリームしか塗ってなかった私にうっすらだがナチュラルメイクをしていく。
そう、茜はとっても器用でご両親の美容室でも手伝いをしていたりする。
進路も既に美容短大で、学校推薦が決まっていた。
将来御両親と同じく、美容師を目指しているのだ。
そうして、鏡を見れば自分でするより可愛く仕上がった自分がいた。
「茜は、本当に器用だね」
「ま、あの両親の娘だからね」
私の髪は小さな頃から茜のお母さんが切ってくれてる。
茜のご両親もまた事情を知る方達で、親切にしてくれている。
「あ!焼きあがった」
オーブンから音がして、綺麗に焼けたマドレーヌとパウンドケーキが顔を出す。
マドレーヌはプレーンとココア味。
パウンドケーキはチョコチップとアーモンド、バナナ、抹茶の3つ焼いた。
少し冷ましてから、切り分けてマドレーヌも添えるとアイスティーを取り出してお茶にする。
「ん!今日も美味しい!」
顔をほころばせて美味しそうに食べる、茜に続いて私も食べる。
「今日のも成功ね!これなら3人に持ってけるわ」
そうして、残りを3人に小分けに詰める。
それでも余ったのは、二人で持ち帰り用に詰めた。
今日の勉強の時間にでもつまみながら食べようと思う。