眩しさの中、最初で最後の恋をした。

「それにしても、その髪型とメイクの犯人は、茜ちゃんね?」

日菜子と茜も面識がある。
私達は去年同じクラスだったのだ。
今年茜だけ別クラスになってしまったのが残念だ。

「うん、松島くんと水木くんにも同じの持ってったんだけど。そこに行くって聞いたらいじり出しちゃって」

苦笑いして返すと、日菜子はニコッと笑いながら言った。

「ま、茜ちゃんは人にヘアメイクするのが大好きだから仕方ないね。しかし、その可愛さは要にはかなりキタだろうよ」

何か分かりにくいことを言った日菜子だが、説明する気は無いみたいだ。

「もう帰るの?」

「うん。日菜子、練習頑張ってね!」

「ありがとう!有紗、気を付けて帰るんだよ!」


無事に今日のお菓子を渡して、私は帰るべく駅へと向かってのんびりと歩き出した。

駅から電車に乗って、電車を降りればバスに乗り換え家へと向かう。

出たり入ったりで暑さと快適さを交互に味わう。

今年の夏はなにをしよう。

花火を見に行きたいし、海かプールも良いな。
テーマパークも行ってみたいし。
なにかしらしたいな。
日菜子や松島くん達の引退試合も応援に行こうか。

そんなことを考えて、自然と緩んだ顔になりつつ私は帰宅したのだった。
< 49 / 192 >

この作品をシェア

pagetop