眩しさの中、最初で最後の恋をした。

「私が勝負事で手加減すると?しかもバレーで」

がっくり項垂れた日菜子は言った。

「せめて、せめて決勝で当たりたかった……」

「チーム対戦表の運が悪かったわね」

私はそう返したのだった。

「負けないからね」

実に楽しそうに茜は返すので、男子はやり取りを見るばかり。

「茜ちゃん。有紗ちゃんと家庭科部なんだよね?」

「でも、家庭科部は週一だからね。それ以外では趣味でフットサル、バレー、ラクロスまでこなすスポーツ女子だよ?」

それを聞いて驚く二人は、日菜子の肩を叩いて言った。

「ま、頑張れ」
「これは、仕方ないね。日菜っちファイト」

日菜子を慰めるのだった。

「グッ!全力は尽くす。けど茜ちゃんとの対戦だけは勝てる気がしない……」

「ま、私一人じゃどうにもならないからどう転ぶかは分からないけどね?」


そうして、二試合後この対決は始まり。

日菜子のチームは奮闘するも、茜の容赦ないアタックにより日菜子のチームはここで敗退となったのだった。

「やっぱり勝てなかったー!」

そう悔しがりつつも、実に楽しそうに笑って帰ってきた日菜子。

「茜ちゃん!今度テニスしようよ!」

「あー、テニスは初心者だよ?」

「いや、茜ちゃんならすぐ出来る!」

それには、私と男子二人はすっごい首を縦に振り同意を示したのだった。
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