眩しさの中、最初で最後の恋をした。

夏祭りと引退試合


終業式。
夏休み前の長い校長先生の話を聞き終え、クラスに戻り通知表をもらう。
今年は受験生のため夏休みの課題は最低限。

そんな中、運動部の三人は来週に引退試合を控えている。
サッカーはインターハイも県予選敗退だったので、引退試合は顧問同士が仲の良い強豪校を招いての親善試合だという。

日菜子のテニス部も有力選手は関東大会に行くものの、日菜子自身は県のベスト4で終わり、同じく引退試合は親善試合だという。

どちらも、自校に招いての試合だそうなのでその日私は応援に来る予定だ。


「来週の三人の試合楽しみにしてるね!」

私が声をかけると、蒼くん要くんはニッコリ笑って答える。
「楽しみにしてて、見てて楽しい試合だと思うから」

「有紗が来るなら、俺頑張れるわ」

「いや、要!いつでも頑張ってよ!?」

「いつも以上に頑張る」

コントみたいな会話をする二人を見つつ、日菜子は実に黒い顔している。

「ふふふ、この試合こそ勝つ!勝ってスッキリ引退だ!」

……。

「日菜子、どうしたの?」

その疑問には蒼くんが答えてくれた。

「引退試合の相手、県大会の準決勝戦の相手で因縁の対決らしい」

なるほど、気合い十分なのねと見守って引退試合の時間などを聞きつつ駅前へ移動を始めた。
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